カーリースの任意保険はどうする?自賠責との違いと選び方

カーリースに任意保険は含まれるか

多くのカーリースでは、月額に含まれる保険は自賠責保険だけで、任意保険は自分で別に加入します。任意保険込みのプランやリース車向けの専用保険を用意している会社もありますが、標準では含まれないのが一般的です※1。ただし、自賠責保険すら含まないプランもあるので、月額に何が入っているかは契約ごとに確認します。

カーリースのクルマは自分のものではなく、リース会社のものです。事故で壊したときの修理費や、返却時の原状回復費用、全損したときの中途解約金は利用者が負担します。自分のクルマを買ったとき以上に、車両保険の重みが大きくなります。

自賠責保険で補償される範囲

国土交通省によると、すべての自動車は自賠責保険・共済への加入が義務付けられていますが、補償は事故の相手のケガや死亡に限られ、「物損事故は補償の対象にはなりません」※2。支払いの限度額は被害者1人あたり次のとおりです※3。

損害 限度額
死亡 3,000万円
後遺障害(常時介護が必要な第1級) 4,000万円
後遺障害(随時介護が必要な第2級) 3,000万円
後遺障害(上記以外) 第1級3,000万円〜第14級75万円
傷害 120万円
相手のクルマ・物、自分のケガ・自分のクルマ 対象外

自賠責に入らずにクルマを運行すると、「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」と違反点数6点(免許停止処分)の対象です※2。自賠責保険料は車種ごとに一律で、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約では、24か月で自家用乗用車18,560円、軽自動車18,660円になります※4。

任意保険の主な補償

補償 何を補償するか カーリースでの重要度
対人賠償 事故の相手のケガ・死亡で、自賠責の限度額を超えた分 必須
対物賠償 相手のクルマや建物など、他人の物の損害 必須
人身傷害・搭乗者傷害 自分や同乗者のケガ 高い
車両保険 自分が乗っているクルマ(リース車)の損害 カーリースでは特に高い

任意保険にはどれくらいの人が入っているか

損害保険料率算出機構の統計では、2025年3月末時点の任意自動車保険の普及率は、対人賠償が75.4%、車両保険が47.4%です。共済も含めると、対人賠償は88.6%、車両補償は54.9%になります※5。用途別に見ると、車両保険の普及率は自家用普通乗用車で64.3%、軽四輪乗用車で49.6%です※5。対人・対物はほとんどの人が入っている一方、車両保険は半分ほどの人しか付けていません。

カーリースで車両保険が必要な理由

修理費は利用者の負担になる

リース車を事故で傷つけたとき、修理費は利用者が払います。メンテナンス込みのプランでも、衝突や接触による破損は対象外とされるのが一般的です※6。修理せずに返却すれば、原状回復費用として請求されることがあります。

全損すると契約が強制的に終わり、中途解約金がかかる

MOTAは「契約期間中にリース車が全損した場合、リース契約は強制解約となります」と説明しています※1。強制解約になると、残りのリース料に近い中途解約金を払うことになります。リース専用の自動車保険を扱う会社も「車を全損するとリース契約は強制解約!」「高額な「中途解約金」を支払う必要が。」と注意を促しています※7。

もらい事故でも差額が残ることがある

相手に過失がある事故でも、相手の保険から支払われるのは原則としてクルマの時価額までです。マイナビの解説は「たとえ過失ゼロのもらい事故であっても、相手の保険から支払われるのは車両の時価額までであり、リース解約金との差額はご自身が負担しなければなりません」と書いています※8。カーリースでは、クルマの時価より中途解約金のほうが高くなることがあり、その差は自分の保険で埋めるしかありません。

リースカー向けの特約と専用保険

リースカー車両費用特約

一般の自動車保険にも、リース車向けの特約を付けられる商品があります。例として、三井住友海上の「リースカー車両費用特約」は、事故でリース車に損害が出た場合に車両保険金を支払うもので、全損(修理できない、盗難、修理費が中途解約費用以上になる場合を含む)のときはリース契約の中途解約費用の額を支払います※9。分損のときは、修理費から免責金額を引いた額が支払われます※9。

リース会社の専用保険・保険込みプラン

リース会社が専用の自動車保険や、任意保険込みのプランを用意していることもあります。中途解約金を補償する商品もあります※7。一方で、保険会社を自分で選べない、等級を引き継げるかどうかが商品によって違う、といった点があります。等級の引き継ぎについては、引き継げないとする解説と、引き継げるとする商品の両方があるので、加入前に確認します。

自分で保険会社と契約 リース会社の専用保険・保険込み
支払い 保険会社に別に払う リース料と一緒に払えることが多い
保険会社の選択 自由 リース会社が用意したもの
中途解約金の補償 リースカー向けの特約を付ければ可能 補償する商品がある
等級の引き継ぎ 車両入替で引き継げることがある 商品による

今の保険の等級を引き継ぐには

車両入替

今のクルマで任意保険に入っているなら、保険の対象をリース車に切り替える「車両入替」で等級を引き継げることがあります。あいおいニッセイ同和損保は「リース契約により借り入れたお車の借主は、お車の所有者とみなします」とし、入替後のクルマの条件として「1年以上を期間とする貸借契約により、新たに借り入れたお車」を挙げています※10。用途車種が同じであることも条件です※10。条件は保険会社によって違うので、加入している保険会社に確認します。

乗り換えで保険が空くとき

今のクルマを手放してからリース車の納車まで間が空き、保険をいったん解約する場合でも、損保ジャパンは「前の契約の満期日・解約日から7日以内であれば、中断証明書がなくても等級は引き継がれます」としています※11。それより空く場合は中断証明書を取っておけば、「中断から10年以内かつ一定の条件を満たしていれば以前の等級で契約を再開できます」。中断証明書は「解約日または満期日から13か月以内に依頼する必要があります」※11。乗り換えの手順は乗り換えの流れの記事で説明しています。

保険料の目安

任意保険料は、年齢、等級、車種、補償内容で大きく変わります。MOTAの試算では、26歳・初めて契約する場合、車両保険なしで5万3,930円、車両保険ありで9万9,780円で、「車両保険を付けることで保険料が約2倍になる」とされています※1。20歳の場合について、ファイナンシャルフィールドは「車両保険なしの場合は年額3~10万円前後」「車両保険ありの場合は年額6~20万円前後」と示しています※12。

保険料を抑える方法としては、運転者の範囲や年齢条件を絞る、車両保険の免責金額(自己負担額)を設定する、複数の保険会社の見積もりを比べる、などがあります。ただし、カーリースでは車両保険を外すと全損時の負担が大きくなるので、外すより免責金額の設定で保険料を調整するほうが向いています。

任意保険を選ぶときのチェックリスト

  • 対人・対物賠償は無制限か
  • 車両保険を付けているか、免責金額はいくらか
  • 全損時にリースの中途解約金まで補償されるか(リースカー向けの特約、専用保険)
  • 等級を引き継げるか(車両入替の条件)
  • 保険の開始日がリース車の納車日と同じになっているか
  • 事故対応やロードサービスの内容

よくある質問

Q. カーリースなら任意保険には入らなくていいですか?

A. 入ってください。月額に含まれる自賠責保険は相手のケガや死亡しか補償せず、物損は対象外です※2。リース車の修理費や全損時の中途解約金も自分で負担することになります。

Q. リース車に車両保険は必要ですか?

A. 必要性は高いです。全損するとリース契約は強制解約になり、中途解約金がかかります※1。もらい事故でも、相手の保険から出るのは時価額までで、中途解約金との差は自己負担です※8。

Q. 対物賠償と車両保険の違いは何ですか?

A. 対物賠償は相手のクルマや物を壊したときの賠償、車両保険は自分が乗っているクルマ(リース車)の損害を補償します。

Q. 今の任意保険の等級はリース車に引き継げますか?

A. 車両入替の手続きで引き継げることがあります。1年以上の貸借契約で借りたクルマを入替の対象とする保険会社があります※10。条件は加入中の保険会社に確認してください。

Q. 任意保険込みのプランなら安心ですか?

A. 補償の中身によります。車両保険が付いているか、免責金額はいくらか、全損時の中途解約金まで補償されるかを確認します。

Q. 自賠責保険料はいくらですか?

A. 24か月で、自家用乗用車18,560円、軽自動車18,660円です(2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約)。それより前に始まる契約では、自家用乗用車17,650円、軽自動車17,540円です※4。

参考・出典

中古車カーリースのメリット・デメリット。新車との違いを比較

中古車カーリースとは

中古車カーリースは、中古車を月々定額で借りるカーリースです。リース会社が所有するクルマを決めた期間借り、税金などの維持費を含めたリース料を毎月払う仕組みは、新車のカーリースと同じです※1。違うのはクルマそのものです。中古車は車両価格が低いため月額や総額を抑えやすく、在庫から選ぶので納車も早くなります。その代わり、年式や走行距離によって1台ごとに状態が違い、保証や契約期間の条件は新車より厳しくなりがちです。

この記事では、新車カーリースや中古車の購入と比べながら、中古車カーリースの利点と注意点、契約前に確認したい項目を説明します。カーリースそのものの仕組みはカーリースとはの記事で詳しく説明しています。

新車カーリースとの比較

項目 新車カーリース 中古車カーリース
車両価格 高い 低い
納車までの期間 1〜2か月程度。人気車種や生産状況によっては数か月以上 在庫があれば1〜3週間程度から
クルマの状態 未使用で均一 年式・走行距離・使われ方で差がある
保証 メーカーの一般保証3年または6万km、特別保証5年または10万km 1か月〜1年程度が多い。リース会社独自の保証を付ける例もある
契約期間 長期の契約も選べる 年式や走行距離によって短くなることがある
選べる車種 現行モデル 在庫次第。生産終了車も候補になる

保証の年数・距離と納車期間の目安はMOTAの比較記事によります※2。同記事は、中古車は「一般的に1~2週間かかると言われており、長くても3週間ほどで納車されます」、新車は「納車になるまで1~2カ月程かかるとされている」と書いています。

MOTAが2023年1月時点で示した比較では、リース期間は中古車が3〜10年、新車が5〜11年、総額の目安は中古車が200万円程度、新車が300万円程度、納期は中古車が契約後約1か月、新車が約2〜3か月でした※3。月額の目安はどちらも1万〜3万円程度とされていて、同じ月額なら中古車のほうが上のクラスのクルマを選べる、という見方もできます。

中古車カーリースのメリット

納車が早い

中古車は在庫のクルマから選ぶため、メーカーの生産を待つ必要がありません。前述のとおり1〜3週間程度で納車される例もあり※2、今のクルマの車検が切れる、転勤や就職ですぐにクルマが要る、といった場面で間に合わせやすくなります。新車は人気車種や生産状況によって納車が数か月先になることがあり、急ぐ場合には中古車が現実的な選択肢になります。

月額と総額を抑えやすい

リース料は、車両価格から残価を引いた額をもとに計算されます※1。車両価格が低い中古車は、その計算の元になる金額が小さくなります。同じ車種・同じ契約期間で比べれば、新車より月額や総額が下がる可能性があります。

選べる車種の幅が広い

現行モデルにない年式やグレード、生産を終えた車種も、在庫があれば候補になります。新車では予算に届かないクラスのクルマを、中古車なら選べることもあります。

短期間の契約ができる場合がある

MOTAによると、中古車リースでは1〜3か月といった短い期間の契約ができるところもあります※2。長期の契約に縛られたくない人には選択肢になります。

中古車カーリースのデメリットと注意点

状態にばらつきがあり、故障のリスクが新車より高い

中古車は1台ごとに、これまでの使われ方が違います。年式が新しく走行距離が少ないクルマなら新車に近い状態のものもありますが、一般に故障のリスクは新車より高くなります。保証がどこまで効くか、故障したときの修理費を誰が負担するかは、契約前に確かめてください。

保証期間が短い

新車にはメーカーの一般保証(3年または6万km)と特別保証(5年または10万km)が付きますが、中古車の保証は「1ヶ月から1年と車両の状態や販売店によって違いますが短いというのが現状」とされています※2。リース会社によっては、全車に1年の保証を付けるなど独自の保証を用意しているので、保証の期間、対象部品、上限額を比べます。

契約期間が短くなることがある

中古車は契約時点ですでに年数や距離を重ねているため、長く乗り続ける契約が組みにくくなります。MOTAは、走行距離が7万km近いクルマの場合、リース年数は「最大でも6年程と新車リースよりも短い年数になります」と書いています※2。

年式が古いと税金が上がる

軽乗用車の軽自動車税は、2015年4月1日以降に登録されたクルマで年10,800円ですが、新規登録から13年を超えると12,900円に上がります※4。税金がリース料に含まれる契約でも、古いクルマほど月額に跳ね返る可能性があります。

中途解約できないのは新車と同じ

中古車でも、カーリースは原則として中途解約できず、解約できる場合も通常は解約金や違約金がかかります※1。中古車だから気軽に返せる、ということはありません。

中古車の購入と比べるとどうか

中古車を買う場合は、車両代金に加えて登録費用などの諸費用がかかり、その目安は車両本体価格の10%程度とされています※5。カーリースではこれらの初期費用もリース料に含めて分割するため、乗り始めの負担は小さくなります。

一方で、総額では購入のほうが安くなるのが普通です。リース料にはリース会社の手数料が含まれ、満了後にクルマを買い取ればその分も払うことになります。初期費用を抑えたい、税金や車検の支払いを毎月に均したい、数年で乗り換えたい、という目的があるなら中古車カーリース、同じクルマに長く乗るつもりなら中古車の購入が向いています。

項目 中古車を購入 中古車カーリース
初期費用 車両代金+諸費用 頭金なしの契約が多い
税金・車検 その都度払う 月額に含まれることが多い
走行距離・改造 自由 制限があることが多い
途中で手放す いつでも売却できる 原則中途解約できない
総額 安くなりやすい 手数料などの分だけ高くなりやすい

契約前に確認したいチェックリスト

中古車カーリースでは、クルマの状態と保証の確認が新車以上に大切になります。次の項目を、見積もりや契約書で確かめてください。

  • 年式、走行距離、修復歴の有無
  • 納車前に、どこで誰が点検・整備するか
  • 保証の期間、対象部品、修理費の上限額
  • 次の車検の時期と、契約期間中に車検が何回あるか
  • メンテナンス費用が月額に含まれるか
  • 走行距離の上限と、超えたときの精算方法
  • オープンエンドかクローズドエンドか(残価精算の有無)
  • 中途解約の可否と解約料の計算方法
  • 満了時の選択肢(返却、買取、再リース、クルマがもらえるか)

リース会社の中には、取り扱う中古車の基準を公開しているところもあります。たとえばMOTAは、自社の中古車リースについて「年式5年以内、走行距離5万キロ以内の車種が揃っています」と案内しています※3。基準を公開しているかどうかも、比較の材料になります。

借りる時点のキズや汚れは写真に撮っておくと、返却時に原状回復の範囲を話し合うときの記録になります。

中古車カーリースが向いている人

向いている人 新車や購入を考えたほうがよい人
すぐにクルマが必要 最新の安全装備が必ず欲しい
月額をできるだけ抑えたい 同じクルマに長く乗り続けたい
新車にこだわらず、車種やグレードで選びたい 年間の走行距離がかなり多い
税金や車検の支払いを月々に均したい 途中で手放す可能性が高い

よくある質問

Q. 中古車カーリースはどれくらいで納車されますか?

A. 在庫車なら、1〜3週間程度から1か月程度が目安です※2※3。審査や書類の準備、納車前整備の内容によって前後します。

Q. 中古車が故障したら修理代は自分持ちですか?

A. 保証とメンテナンスプランの内容によります。保証の期間、対象部品、修理費の上限を契約前に確認してください。

Q. 中古車カーリースにも走行距離の上限はありますか?

A. 上限がある契約が多くありますが、中古車では上限を設けていないプランもあります。超えた場合の精算方法とあわせて確認してください。

Q. 中古車でも最後にクルマをもらえますか?

A. 満了時にクルマを譲り受けられるプランもありますが、メンテナンスプランへの加入など条件が付くことがあります。

Q. 中古車カーリースは新車より審査が通りやすいですか?

A. 審査では、収入の安定性や信用情報など、新車と同じような項目が見られます。審査についてはフリーランス・個人事業主の審査の記事で説明しています。

参考・出典

カーリースとは?購入との違いと、はじめる前に知っておきたいこと

カーリースとは

カーリースは、リース会社が持っているクルマを、決めた期間だけ月々定額で借りて使う契約です。国民生活センターは「リース会社が所有する車を一定の期間借りて利用できるサービス」と定義し、購入時の初期費用に加えて「車の維持にかかる税金や点検整備費用等が月々のリース代金に含まれているため、毎月定額料金で車を利用できることが特徴」と説明しています※1。

購入との一番の違いは契約の種類です。購入は販売店との売買契約ですが、カーリースはリース会社との賃貸借契約で、クルマの所有者はリース会社になります※1。利用者は車検証上の「使用者」として毎日普通に乗れますが、売ったり、勝手に改造したりはできません。

個人向けのカーリースは増えている

カーリースは以前は法人向けがほとんどでしたが、国民生活センターによると、ここ数年はライフスタイルの多様化や新車の供給体制の変化などで、一般消費者向けの契約が増えています※1。矢野経済研究所の調査では、個人向けオートリースの保有台数は2024年3月末時点で67万1,404台(前年同期比115.4%)で、2027年3月末には約100万台になると予測されています※2。

利用が増える一方で、相談も増えています。国民生活センターに寄せられるカーリースの相談件数は「ここ数年増加傾向」にあり、中途解約や契約満了のときにトラブルになった例が報告されています※1。多くは、残価や解約料の仕組みを知らないまま契約したことが原因です。

月々のリース料はどう決まるか

国民生活センターの説明では、リース料は次のように計算されます※1。

  1. 車の価格から、契約満了時に見込まれる価値(残価)を差し引く
  2. 登録費用、税金、保険料、カーナビなどのオプション費用、契約期間中の維持費(税金、保険料、点検整備費用など)、リース手数料を足して総額を出す
  3. 総額を契約期間で分割し、月々支払う

車両価格200万円、残価40万円、契約期間60か月(5年)なら、車両部分だけで(200万円−40万円)÷60か月=約2万6,700円です。ここに税金や手数料、メンテナンス費用などが加わったものが月額になります。残価を高く設定するほど月額は下がりますが、満了時に残価をどう扱うかは契約方式で変わります(後述)。

国民生活センターの資料によると、個人向けカーリースでは車の代金や税金・保険料に加えて法定点検整備などの費用も含む「メンテナンスリース」が主流で、整備費用を除いて月額を抑える方式もあります※1。

月額に含まれる費用、含まれない費用

費用 月額に含まれるか 補足
車両代金 含まれる 残価を差し引いた分
登録費用・手数料 含まれる 納車時の手続き費用
自動車税・軽自動車税 含まれることが多い 所有者であるリース会社に課税される
自動車重量税・自賠責保険料 含まれることが多い 車検のたびにかかる法定費用
車検・点検・消耗品 プランによる メンテナンス込みかどうかで変わる
任意保険 含まれないことが多い 任意保険込みのサービスもある
ガソリン代・駐車場代 含まれない 利用者が自分で払う

税金の目安として、2019年10月1日以降に初めて登録された自家用乗用車の自動車税は、総排気量1,000cc以下で25,000円、1,000cc超1,500cc以下で30,500円です※3。自家用の軽乗用車は、2015年4月1日以降に登録されたクルマで10,800円、新規登録から13年を超えると12,900円に上がります※4。どちらも毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、リース車ではリース会社が納め、その分がリース料に入っています。なお、2026年4月1日から「自動車税種別割」は「自動車税」に、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」に名称が変わっています。

オープンエンドとクローズドエンドの違い

契約満了時に残価との差額を精算するかどうかで、契約は2つに分かれます。

オープンエンド クローズドエンド
残価 利用者に開示される 原則開示されない
返却時の精算 査定額が残価を下回れば差額を支払う。上回れば返金されるのが基本 通常の使い方で、走行距離も超えていなければ精算なし
月額 安くなりやすい やや高めになることが多い

クローズドエンドでも精算がまったくないわけではありません。ある大手のカーリースは、クローズドエンドで精算が発生しないのは「通常使用による損耗以上の損耗がなく契約走行距離を超えない場合」と定めています※5。走行距離の超過やキズ・へこみの原状回復費用は、方式に関係なく請求されることがあります※6。詳しくは残価・走行距離・中途解約の記事で説明しています。

購入・ローン・残クレとの違い

項目 現金購入 ローン・残価設定ローン カーリース
契約の種類 売買 売買(代金を分割) 賃貸借
車検証上の所有者 自分 完済まで販売店や信販会社のことが多い リース会社
初期費用 車両代金と諸費用 頭金と諸費用 頭金なしの契約が多い
税金・車検 その都度払う その都度払う 月額に含まれることが多い
走行距離・改造 自由 自由(残クレは返却時の条件あり) 制限があることが多い
途中でやめる いつでも売却できる 残債を返せば売却できる 原則中途解約できない
終了後 乗り続けられる 完済で自分のものになる 返却・買取・再リースなど契約による

残価設定ローン(残クレ)は月々の支払いが少なく見える点でカーリースと似ていますが、あくまでローンでの購入です。税金や車検は自分で払い、ローンを完済すればクルマは自分のものになります。トヨタの解説も、ローンは「購入を前提とし、最終的にクルマを資産として所有できます」と書いています※7。

最終的にクルマを自分のものにするなら、総額は購入のほうが安くなるのが普通です。リース料には残価やリース会社の手数料が含まれ、満了後に買い取ると、その分を上乗せして払うことになるためです。カーリースが得をするのは、税金や車検の支払いを平準化したい、数年で乗り換えたい、といった目的がはっきりしている場合です。

レンタカー・カーシェアとの違い

レンタカーとカーシェアは、数時間から数日単位で借りるサービスです。レンタカーは「わ」「れ」ナンバーで、車検の有効期間も自家用車より短く、初回2年、2回目以降は1年です※8。カーリースは自家用車と同じナンバーで、自分専用のクルマとして年単位で使います。毎日クルマを使うならカーリース、月に数回ならカーシェアやレンタカーのほうが費用を抑えられます。

カーリースのデメリット

原則として中途解約できない

国民生活センターは「原則として中途解約はできず、中途解約できる場合であっても、通常は解約金や違約金が生じます」と注意を促しています※1。同センターの見守り情報では、月2万円・4年契約の軽自動車のリースを半年後に入院で返そうとしたところ、約120万円の解約料を請求された例が紹介されています※9。違約金を払えば途中で解約できる商品や、条件付きで解約金がかからないプランもありますが、条件は商品ごとに違います。

走行距離や改造に制限がある

国民生活センターによると、リース会社は走行距離や改造などの利用方法に「一定の制約をかける場合がほとんど」です※1。上限を超えた分は、満了時に精算するのが一般的です。

満了時に追加の支払いが出ることがある

オープンエンドの残価精算、走行距離の超過精算、キズやへこみの原状回復費用があります。国民生活センターには「契約満了後は残価約45万円を支払わなければならないことが分かった」という相談も寄せられています※1。

最後に自分のものになるとは限らない

満了時の扱いは、返却、残価を払っての買取、再リースなど契約によって異なります※1。「9年後、車が自分のものになると勧誘されカーリース契約をしたが実際は違った」という相談事例もあります※1。満了時にクルマがもらえるプランもありますが、条件が付いていることが多いので、書面で確認してください。

カーリースのメリット

頭金なしで乗り始められる

登録費用や税金などの初期費用もリース料に含めて分割するため、まとまったお金を用意せずに乗り始められます※1。

維持費の支払いが毎月一定になる

自動車税は毎年5月ごろ、車検は2年ごとにまとまった支払いがありますが、カーリースではこれらが月額に入るため、家計の支出が平らになります。メンテナンス込みのプランなら、点検や車検の時期の管理もリース会社の案内に沿って進められます。

乗り換えの手間が少ない

満了時に返却して別のクルマに乗り換えれば、売却の手続きや査定の手間がかかりません。

契約前に確かめたいこと

国民生活センターは、契約前に確認する項目として「契約期間、残価設定の有無、支払総額と支払時期、走行距離制限等の利用制限の有無、中途解約の可否と中途解約が可能な場合の中途解約料の計算方法やその金額、契約満了時の車の返却や残価の精算方法等」を挙げています※1。営業担当の説明だけでなく、契約書で一つずつ確かめてください。

  • 月額に含まれる費用の範囲(車検、点検、消耗品、任意保険)
  • 支払総額(月額×契約月数+ボーナス払い+満了時の支払い)
  • 走行距離の上限と、超過した場合の精算方法
  • オープンエンドかクローズドエンドか
  • 中途解約の可否、解約料の計算方法
  • 満了時に選べる選択肢と、買取やクルマがもらえる場合の条件

新車のカーリースと中古車のカーリース

カーリースには新車を借りるものと、中古車を借りるものがあります。中古車は車両価格が低いぶん月額や総額を抑えやすく、在庫から選ぶので納車も早い一方、年式や走行距離によって状態に差があります。違いは中古車カーリースのメリット・デメリットで詳しく比べています。

カーリースが向いている人、向いていない人

向いている人 向いていない人
頭金を用意せずに乗り始めたい 年間の走行距離がかなり多い
税金や車検の支払いを月々に均したい 途中で手放す可能性が高い
数年ごとに乗り換えるつもりでいる クルマを改造したい
メンテナンスの手配を任せたい 同じクルマに10年以上乗り続けたい

よくある質問

Q. カーリースは途中で解約できますか?

A. 原則としてできません。解約できる場合も、通常は解約金や違約金がかかります※1。転勤や家族構成の変化が見込まれるなら、契約期間を短くするか、解約料の計算方法を契約前に確認してください。

Q. 契約が終わったらクルマは自分のものになりますか?

A. 自動的にはなりません。返却、残価を払っての買取、再リースなど、契約で定められた方法から選びます※1。

Q. 自動車税の納付書は自分に届きますか?

A. 届きません。自動車税は4月1日時点の所有者に課税されるため、所有者であるリース会社に届き、利用者はリース料の中で負担します。

Q. 任意保険は月額に含まれますか?

A. 含まれないことが多く、自分で加入します。詳しくはカーリースの任意保険の記事をご覧ください。

Q. 個人事業主はリース料を経費にできますか?

A. 国税庁は、家事関連費のうち必要経費になるのは「業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」としています※10。プライベートと兼用するなら、事業で使った割合を記録に基づいて分ける必要があります。

Q. トラブルになったときの相談先はありますか?

A. 消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます※1。

参考・出典

残価・走行距離・中途解約。カーリースの契約で確認したい条件

契約前に確認したい条件は5つ

カーリースで後から支払いが発生しやすいのは、残価、走行距離、中途解約、原状回復、満了時の扱いの5つです。国民生活センターは2025年9月、カーリースの相談件数が「ここ数年増加傾向」にあるとして注意を呼びかけ、契約前に「契約期間、残価設定の有無、支払総額と支払時期、走行距離制限等の利用制限の有無、中途解約の可否と中途解約が可能な場合の中途解約料の計算方法やその金額、契約満了時の車の返却や残価の精算方法等」を確認するよう勧めています※1。

どの条件も契約書や約款に書かれています。営業担当の説明だけで判断せず、書面で確かめてください。

残価:満了時の想定価値と、その精算

残価とは

残価は、契約満了時にクルマにどれくらいの価値が残っているかを見込んだ金額です。リース料は、車の価格から残価を差し引いた額に、税金や保険料、整備費用、手数料を足して計算します※1。残価を高く見込むほど、月々のリース料は下がります。

オープンエンドとクローズドエンド

残価を満了時に精算するかどうかで、契約は2つに分かれます。

オープンエンド クローズドエンド
残価 利用者に開示される 原則開示されない
返却時 査定額と残価の差額を精算する 条件を守っていれば精算なし
月額 安くなりやすい やや高めになりやすい
リスクを負う側 利用者 リース会社

コスモMyカーリースの約款の説明では、オープンエンドは「ご返却の場合は満了時の査定額と設定残存価格の差額をご精算いただきます」、クローズドエンドは「通常使用による損耗以上の損耗がなく契約走行距離を超えない場合、精算は発生いたしません」とされています※2。つまりクローズドエンドでも、通常の使い方を超えるキズや走行距離の超過があれば精算は起こりえます。

残価をめぐるトラブル

国民生活センターには、総額約300万円・6年間の契約で、契約後に「契約満了後は残価約45万円を支払わなければならないこと」が分かったという相談が寄せられています※1。月額だけを見て契約すると、満了時の支払いを見落とします。支払総額は「月額×月数」だけでなく、ボーナス払いと満了時に払う可能性のある金額も足して見てください。

走行距離:上限の決まり方と超過の精算

上限はどう決まるか

国民生活センターによると、リース会社は走行距離や改造などの利用方法に「一定の制約をかける場合がほとんど」です※1。上限の決め方と、超えたときの精算方法は会社によって違います。公開されている条件の例を挙げます。

例 上限の決め方 超えた場合
KINTO(KINTO ONE)※3 1,500km×利用月数(1年あたり18,000km) トヨタ車(EVを除く)1kmあたり11円、トヨタのEV・レクサス・SUBARUは22円(税込)
短期カーリースカルモくん※4 月間1,500kmまで 1kmあたり8円
コスモMyカーリース※2 契約走行距離 超過によって下がったクルマの価値分を精算する場合がある

km単価で精算する会社と、価値の下がった分を精算する会社があるので、契約書で精算方法と単価を確認します。

月ごとではなく、契約期間の合計で見ることが多い

KINTOは契約期間の合計距離で判定し、コスモのコラムも、ほとんどの契約は満了時に走行距離を確認し「月単位で距離を測定するわけではありません」と説明しています※3※5。ある月に旅行で多く走っても、ほかの月が少なければ合計で上限内に収まります。

超過するといくらかかるか

KINTOの例では、プリウスを24か月で返却したときに走行距離が40,000kmだった場合、上限は1,500km×24か月=36,000kmなので、超過は4,000kmです。4,000km×11円=44,000円が精算額になります※3。

自分の走行距離を計算する

上限を選ぶ前に、自分が月に何km走るかを出しておきます。

使い方の例 計算 月の走行距離
片道5kmの買い物・送迎を週5回 5km×2×5回×4週 約200km
片道10kmの通勤を月20日 10km×2×20日 400km
片道20kmの通勤を月20日+週末に往復100km 20km×2×20日+100km×4週 1,200km

帰省や旅行など年に数回の長距離も、年間の距離に足しておきます。計算した距離が上限に近いなら、一段上の上限との月額の差と、超えたときの精算額を比べてから決めます。

中途解約:原則としてできない

なぜ解約できないのか

カーリースは、契約期間いっぱい使うことを前提に残価や月額を計算しています。国民生活センターは「原則として中途解約はできず、中途解約できる場合であっても、通常は解約金や違約金が生じます」と説明しています※1。コスモMyカーリースのFAQも「中途解約は原則不可となります」とし、解約する場合には「中途解約金として残りのリース料の支払が発生いたします」と書いています※6。

解約金の目安

解約金は、残りの期間のリース料の合計に近い金額になるのが一般的です。コスモのコラムは「大まかにいうと、残りの期間のリース料を合計したものに近い金額」と説明し、解約時点の査定額が予定残価より高ければ差額が差し引かれ、低ければ上乗せされる例を示しています。予定残価200万円のクルマの査定額が250万円なら50万円が差し引かれ、150万円なら50万円が上乗せされる、という計算です※7。未経過分の税金は違約金から差し引かれます※7。

国民生活センターの見守り情報には、月2万円・4年契約の軽自動車のリースを半年後に入院で返そうとしたところ「解約料金として約120万円請求された」という事例があります※8。別の事例では「約50万円の解約料を請求された」という相談もありました※1。

解約金がかからない、または減額される場合

解約金が発生しないプランを用意している会社もあります。KINTOは「解約金フリープランは、トヨタ車・レクサス車ともに中途解約金は発生しません」と案内しています※9。カルモくんの短期カーリースは「1年経過していれば解約金はかかりません」としています※4。契約者の死亡や病気で運転できなくなった場合の扱いを定めている会社もありますが、内容は約款ごとに違うため、該当しそうな事情があるなら契約前に確認してください。

全損や盗難のときは強制的に解約になる

事故でクルマが修理できなくなったり盗まれたりすると、リース契約はその時点で終わり、中途解約金が発生します。コスモのFAQは、盗難は「お客様による負担」で「中途解約金が発生いたします」、修理不能の事故は「リース契約の中途解約が必要となり、解約にかかる費用が発生する場合がございます」としています※6。全損のときはクルマの価値が0円になるため、違約金は高額になりやすいとされています※7。この費用に備える方法はカーリースの任意保険の記事で説明しています。

原状回復:返却時のキズや汚れ

何が費用の対象になるか

返却時、通常の使用による劣化を超えるキズや汚れがあると、元に戻す費用(原状回復費用)を請求されることがあります。業界で統一された基準は公開されていませんが、基準を公開している例としてKINTOがあります※3。

KINTOの課金対象の例 金額
パネル・バンパーの線キズ(40cm以上)、ヘコミ(20cm以上)、割れ(10cm以上) 1か所ごとにトヨタ車22,000円、レクサス車44,000円
ミラー・ライトの割れ、フロントガラスの割れ、シートのシミ・破れ(5cm以上) 課金対象
ペットの毛やにおい、たばこの焦げやにおい(電子たばこを含む)、鍵の紛失 課金対象

小さなキズは対象外でも、においやたばこの焦げのように見落としやすい項目もあります。カルモくんの短期カーリースも、返却時には原状回復が必要で、想定以上の損耗があれば費用を請求する可能性があると明記しています※4。

改造や塗装の変更

コスモのFAQでは、改造や塗装の変更をした場合は「返却時に精算が必要になる場合がございます」とされています※2。ドライブレコーダーや荷室の棚など、後から付けたいものがあるなら、取り付けてよいか、返却時に外す必要があるかを確認しておきます。

返却前にできること

借りた時点のキズや汚れを写真に残しておく、車内での喫煙を避ける、キズが付いたら保険を使うかどうかを早めに判断する、といった準備で、返却時の支払いを減らせます。

満了時の選択肢

国民生活センターによると、満了時は「リース会社に返却する、残価や自動車税の未精算分等を支払い消費者に所有権を移転する(買い取り)、再リースで乗り続ける等、契約内容により異なります」※1。どれを選べるかは契約で決まっていて、選べない選択肢もあります。

同センターには「9年後、車が自分のものになると勧誘されカーリース契約をしたが実際は違った」「カーリース契約満了後、残価を支払わないと車を受け取れないと言われた」という相談も寄せられています※1。満了後にクルマを自分のものにしたいなら、その条件と支払う金額を、契約前に書面で確認してください。

契約前のチェックリスト

  • 支払総額(月額×月数+ボーナス払い+満了時に払う可能性のある金額)
  • オープンエンドかクローズドエンドか、残価はいくらか
  • 走行距離の上限、判定方法(月ごとか合計か)、超過時の精算方法と単価
  • 中途解約の可否、解約金の計算方法、解約金が免除される条件
  • 全損・盗難時の扱いと、それに備える保険
  • 原状回復の基準、改造や取り付けのルール
  • 満了時に選べる選択肢と、買取やクルマがもらえる場合の条件

よくある質問

Q. 走行距離の上限を超えるとどうなりますか?

A. 多くの契約では満了時に精算します。km単価で精算する会社(例:KINTOは1kmあたり11円または22円)と、下がったクルマの価値分を精算する会社があります※3※2。

Q. 1か月だけ上限を超えたら、すぐに請求されますか?

A. 契約期間の合計距離で判定する会社が多く、1か月だけ超えても合計で上限内なら精算は発生しないのが一般的です※5。

Q. 中途解約の解約金はどれくらいですか?

A. 残りの期間のリース料の合計に近い金額が目安で、解約時の査定額と残価の差で増減します※7。国民生活センターには約120万円を請求された事例も寄せられています※8。

Q. クローズドエンドなら返却時に何も払わなくていいですか?

A. 残価の精算はありませんが、通常の使用を超えるキズや走行距離の超過があれば精算が発生することがあります※2。

Q. 事故でクルマが全損したらどうなりますか?

A. リース契約は終了し、中途解約金がかかります※6。車両保険や、リース車向けの特約で備えます。

Q. 契約内容でトラブルになったらどこに相談できますか?

A. 消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターを案内してもらえます※1。

参考・出典

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