カーリースの基礎

カーリースとは?購入との違いと、はじめる前に知っておきたいこと

カーリースという言葉は聞いたことがあっても、「購入と何が違うの?」「月額には何が含まれるの?」と迷う方は少なくありません。この記事では、カーリースの基本的な仕組みと、購入との違い、はじめる前に確認しておきたいポイントを整理します。

カーリースとは

カーリースは、リース会社が持っているクルマを、決めた期間だけ月々定額で借りて使う契約です。国民生活センターは「リース会社が所有する車を一定の期間借りて利用できるサービス」と定義し、購入時の初期費用に加えて「車の維持にかかる税金や点検整備費用等が月々のリース代金に含まれているため、毎月定額料金で車を利用できることが特徴」と説明しています※1。

購入との一番の違いは契約の種類です。購入は販売店との売買契約ですが、カーリースはリース会社との賃貸借契約で、クルマの所有者はリース会社になります※1。利用者は車検証上の「使用者」として毎日普通に乗れますが、売ったり、勝手に改造したりはできません。

個人向けのカーリースは増えている

カーリースは以前は法人向けがほとんどでしたが、国民生活センターによると、ここ数年はライフスタイルの多様化や新車の供給体制の変化などで、一般消費者向けの契約が増えています※1。矢野経済研究所の調査では、個人向けオートリースの保有台数は2024年3月末時点で67万1,404台(前年同期比115.4%)で、2027年3月末には約100万台になると予測されています※2。

利用が増える一方で、相談も増えています。国民生活センターに寄せられるカーリースの相談件数は「ここ数年増加傾向」にあり、中途解約や契約満了のときにトラブルになった例が報告されています※1。多くは、残価や解約料の仕組みを知らないまま契約したことが原因です。

月々のリース料はどう決まるか

国民生活センターの説明では、リース料は次のように計算されます※1。

  1. 車の価格から、契約満了時に見込まれる価値(残価)を差し引く
  2. 登録費用、税金、保険料、カーナビなどのオプション費用、契約期間中の維持費(税金、保険料、点検整備費用など)、リース手数料を足して総額を出す
  3. 総額を契約期間で分割し、月々支払う

車両価格200万円、残価40万円、契約期間60か月(5年)なら、車両部分だけで(200万円−40万円)÷60か月=約2万6,700円です。ここに税金や手数料、メンテナンス費用などが加わったものが月額になります。残価を高く設定するほど月額は下がりますが、満了時に残価をどう扱うかは契約方式で変わります(後述)。

国民生活センターの資料によると、個人向けカーリースでは車の代金や税金・保険料に加えて法定点検整備などの費用も含む「メンテナンスリース」が主流で、整備費用を除いて月額を抑える方式もあります※1。

月額に含まれる費用、含まれない費用

費用 月額に含まれるか 補足
車両代金 含まれる 残価を差し引いた分
登録費用・手数料 含まれる 納車時の手続き費用
自動車税・軽自動車税 含まれることが多い 所有者であるリース会社に課税される
自動車重量税・自賠責保険料 含まれることが多い 車検のたびにかかる法定費用
車検・点検・消耗品 プランによる メンテナンス込みかどうかで変わる
任意保険 含まれないことが多い 任意保険込みのサービスもある
ガソリン代・駐車場代 含まれない 利用者が自分で払う

税金の目安として、2019年10月1日以降に初めて登録された自家用乗用車の自動車税は、総排気量1,000cc以下で25,000円、1,000cc超1,500cc以下で30,500円です※3。自家用の軽乗用車は、2015年4月1日以降に登録されたクルマで10,800円、新規登録から13年を超えると12,900円に上がります※4。どちらも毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、リース車ではリース会社が納め、その分がリース料に入っています。なお、2026年4月1日から「自動車税種別割」は「自動車税」に、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」に名称が変わっています。

オープンエンドとクローズドエンドの違い

契約満了時に残価との差額を精算するかどうかで、契約は2つに分かれます。

オープンエンド クローズドエンド
残価 利用者に開示される 原則開示されない
返却時の精算 査定額が残価を下回れば差額を支払う。上回れば返金されるのが基本 通常の使い方で、走行距離も超えていなければ精算なし
月額 安くなりやすい やや高めになることが多い

クローズドエンドでも精算がまったくないわけではありません。ある大手のカーリースは、クローズドエンドで精算が発生しないのは「通常使用による損耗以上の損耗がなく契約走行距離を超えない場合」と定めています※5。走行距離の超過やキズ・へこみの原状回復費用は、方式に関係なく請求されることがあります※6。詳しくは残価・走行距離・中途解約の記事で説明しています。

購入・ローン・残クレとの違い

項目 現金購入 ローン・残価設定ローン カーリース
契約の種類 売買 売買(代金を分割) 賃貸借
車検証上の所有者 自分 完済まで販売店や信販会社のことが多い リース会社
初期費用 車両代金と諸費用 頭金と諸費用 頭金なしの契約が多い
税金・車検 その都度払う その都度払う 月額に含まれることが多い
走行距離・改造 自由 自由(残クレは返却時の条件あり) 制限があることが多い
途中でやめる いつでも売却できる 残債を返せば売却できる 原則中途解約できない
終了後 乗り続けられる 完済で自分のものになる 返却・買取・再リースなど契約による

残価設定ローン(残クレ)は月々の支払いが少なく見える点でカーリースと似ていますが、あくまでローンでの購入です。税金や車検は自分で払い、ローンを完済すればクルマは自分のものになります。トヨタの解説も、ローンは「購入を前提とし、最終的にクルマを資産として所有できます」と書いています※7。

最終的にクルマを自分のものにするなら、総額は購入のほうが安くなるのが普通です。リース料には残価やリース会社の手数料が含まれ、満了後に買い取ると、その分を上乗せして払うことになるためです。カーリースが得をするのは、税金や車検の支払いを平準化したい、数年で乗り換えたい、といった目的がはっきりしている場合です。

レンタカー・カーシェアとの違い

レンタカーとカーシェアは、数時間から数日単位で借りるサービスです。レンタカーは「わ」「れ」ナンバーで、車検の有効期間も自家用車より短く、初回2年、2回目以降は1年です※8。カーリースは自家用車と同じナンバーで、自分専用のクルマとして年単位で使います。毎日クルマを使うならカーリース、月に数回ならカーシェアやレンタカーのほうが費用を抑えられます。

カーリースのデメリット

原則として中途解約できない

国民生活センターは「原則として中途解約はできず、中途解約できる場合であっても、通常は解約金や違約金が生じます」と注意を促しています※1。同センターの見守り情報では、月2万円・4年契約の軽自動車のリースを半年後に入院で返そうとしたところ、約120万円の解約料を請求された例が紹介されています※9。違約金を払えば途中で解約できる商品や、条件付きで解約金がかからないプランもありますが、条件は商品ごとに違います。

走行距離や改造に制限がある

国民生活センターによると、リース会社は走行距離や改造などの利用方法に「一定の制約をかける場合がほとんど」です※1。上限を超えた分は、満了時に精算するのが一般的です。

満了時に追加の支払いが出ることがある

オープンエンドの残価精算、走行距離の超過精算、キズやへこみの原状回復費用があります。国民生活センターには「契約満了後は残価約45万円を支払わなければならないことが分かった」という相談も寄せられています※1。

最後に自分のものになるとは限らない

満了時の扱いは、返却、残価を払っての買取、再リースなど契約によって異なります※1。「9年後、車が自分のものになると勧誘されカーリース契約をしたが実際は違った」という相談事例もあります※1。満了時にクルマがもらえるプランもありますが、条件が付いていることが多いので、書面で確認してください。

カーリースのメリット

頭金なしで乗り始められる

登録費用や税金などの初期費用もリース料に含めて分割するため、まとまったお金を用意せずに乗り始められます※1。

維持費の支払いが毎月一定になる

自動車税は毎年5月ごろ、車検は2年ごとにまとまった支払いがありますが、カーリースではこれらが月額に入るため、家計の支出が平らになります。メンテナンス込みのプランなら、点検や車検の時期の管理もリース会社の案内に沿って進められます。

乗り換えの手間が少ない

満了時に返却して別のクルマに乗り換えれば、売却の手続きや査定の手間がかかりません。

契約前に確かめたいこと

国民生活センターは、契約前に確認する項目として「契約期間、残価設定の有無、支払総額と支払時期、走行距離制限等の利用制限の有無、中途解約の可否と中途解約が可能な場合の中途解約料の計算方法やその金額、契約満了時の車の返却や残価の精算方法等」を挙げています※1。営業担当の説明だけでなく、契約書で一つずつ確かめてください。

  • 月額に含まれる費用の範囲(車検、点検、消耗品、任意保険)
  • 支払総額(月額×契約月数+ボーナス払い+満了時の支払い)
  • 走行距離の上限と、超過した場合の精算方法
  • オープンエンドかクローズドエンドか
  • 中途解約の可否、解約料の計算方法
  • 満了時に選べる選択肢と、買取やクルマがもらえる場合の条件

新車のカーリースと中古車のカーリース

カーリースには新車を借りるものと、中古車を借りるものがあります。中古車は車両価格が低いぶん月額や総額を抑えやすく、在庫から選ぶので納車も早い一方、年式や走行距離によって状態に差があります。違いは中古車カーリースのメリット・デメリットで詳しく比べています。

カーリースが向いている人、向いていない人

向いている人 向いていない人
頭金を用意せずに乗り始めたい 年間の走行距離がかなり多い
税金や車検の支払いを月々に均したい 途中で手放す可能性が高い
数年ごとに乗り換えるつもりでいる クルマを改造したい
メンテナンスの手配を任せたい 同じクルマに10年以上乗り続けたい

よくある質問

Q. カーリースは途中で解約できますか?

A. 原則としてできません。解約できる場合も、通常は解約金や違約金がかかります※1。転勤や家族構成の変化が見込まれるなら、契約期間を短くするか、解約料の計算方法を契約前に確認してください。

Q. 契約が終わったらクルマは自分のものになりますか?

A. 自動的にはなりません。返却、残価を払っての買取、再リースなど、契約で定められた方法から選びます※1。

Q. 自動車税の納付書は自分に届きますか?

A. 届きません。自動車税は4月1日時点の所有者に課税されるため、所有者であるリース会社に届き、利用者はリース料の中で負担します。

Q. 任意保険は月額に含まれますか?

A. 含まれないことが多く、自分で加入します。詳しくはカーリースの任意保険の記事をご覧ください。

Q. 個人事業主はリース料を経費にできますか?

A. 国税庁は、家事関連費のうち必要経費になるのは「業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」としています※10。プライベートと兼用するなら、事業で使った割合を記録に基づいて分ける必要があります。

Q. トラブルになったときの相談先はありますか?

A. 消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます※1。

参考・出典

FAQ

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