今のクルマを手放して、カーリースへ乗り換えるときの流れ
今乗っているクルマがある状態でカーリースを検討する場合、売却と次のクルマの準備をどう進めるかがポイントになります。ここでは、乗り換えの一般的な流れを紹介します。
今のクルマからカーリースへ乗り換える流れ
今のクルマを手放してカーリースに乗り換えるときは、次の6つの段階で進めます。
- 車検証で所有者とローンの残りを確認する
- 査定を受けて、売り先と売却額の見込みを立てる
- リースする車種とプランを決めて審査を受ける
- 契約内容を確認して契約する
- 書類をそろえ、納車日に合わせて今のクルマを引き渡す
- 保険と税金の切り替えを確認する
一番大事なのは、今のクルマを手放す日とリース車の納車日をそろえることです。先に手放せばクルマのない日ができ、後になれば駐車場や保険が2台分要る期間ができます。以下、段階ごとに確認することを説明します。
1. 車検証で所有者とローンの残りを確認する
所有者が自分以外になっていないか
車検証の「所有者」欄を見ます。ローンで買ったクルマは、ローンを払い終えるまで販売店や信販会社が所有者になっていることがあります。これを所有権留保といい、国土交通省は「割賦(ローン)販売で自動車を購入し、信販会社、自動車販売店等が所有権を持っている場合のことです」と説明しています※1。日本自動車購入協会(JPUC)も、ディーラーでローンを組んだ場合は「車検証上の所有者はディーラー、使用者が購入者になっていることがほとんど」としています※2。
ローンが残っている場合
JPUCによると「ローンを払い続けながら売却することはできません」※2。ローンを完済して所有権を自分に移す(所有権解除)必要があります。売却額で残りのローンを払い切れるかどうかが分かれ目になります。
| 状況 | 進め方 |
|---|---|
| 売却額がローン残高より多い | 売却代金でローンを完済し、残りを受け取る |
| 売却額がローン残高より少ない | 不足分を現金で払う、または不足分を新たなローンで借りて完済する |
まずローン会社に残高を問い合わせ、査定額と比べられるようにしておきます。所有権解除には書類のやり取りで日数がかかるので、納車日が決まってから慌てないよう早めに始めます。
銀行のマイカーローンの場合
銀行などで借りたマイカーローンは、車検証の所有者が自分になっていることが多く、その場合は所有権解除の手続きは要りません。ただしローンの返済は残るので、売却代金で一括返済するか、そのまま返済を続けるかを決めます。
2. 査定を受けて売り先を決める
買取と下取り
手放し方には、買取店に売る方法と、乗り換え先に下取りに出す方法があります。どちらが高いかは車種や状態で変わるため、複数の査定額を比べてから決めます。
売却で起きやすいトラブル
国民生活センターには、中古車の売却に関する相談が2021年度に1,519件寄せられ、前年度の1.25倍に増えています※3。同センターは「査定の場では契約せず、一度冷静に考えましょう」と呼びかけています※3。また、車の売却は業者が自宅に来た場合でも特定商取引法の規制の対象外なので、同法のクーリング・オフは使えません※3。契約後のキャンセルの扱いは業者の約款によるため、契約書で確認します。
修復歴や事故歴は査定のときに正直に伝えます。国民生活センターは、事前に適切に伝えていれば「契約後の修復歴等を理由とした契約の解除や減額には応じる必要はありません」としています※3。
3. リース車を選んで審査を受ける
用途、月の走行距離、予算から車種とプランを決め、審査を受けます。納車までの期間は、新車だと1〜2か月程度、人気車種ではさらにかかることがあり、中古車なら在庫があれば1〜3週間程度で納車される例もあります※4。今のクルマの車検が近いなら、納車の早い中古車のほうが間に合わせやすくなります。中古車と新車の違いは中古車カーリースのメリット・デメリットで比べています。
4. 契約内容を確認する
国民生活センターには、「ローンと同じと言われ契約したが走行距離制限や中途解約料があるカーリース契約だった」「カーリース契約満了後、残価を支払わないと車を受け取れないと言われた」といった相談が寄せられています※5。乗り換えを急いでいるときほど、次の点を契約書で確認します。
- 月額に含まれる費用と支払総額
- 走行距離の上限と超過時の精算
- 中途解約の可否と解約金
- 満了時の選択肢と残価精算の有無
それぞれの詳しい仕組みは残価・走行距離・中途解約の記事で説明しています。
5. 書類をそろえて、納車日に引き渡す
普通車を売るときの書類
国土交通省は、売買で名義を変えるときの書類として次のものを挙げています※6。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 車検証 | 有効期間内のもの |
| 譲渡証明書 | 譲渡人(売る人)の実印を押す |
| 印鑑証明書 | 発行から3か月以内のもの |
| 委任状 | 代理人(買取店など)が申請する場合に必要 |
このほか、自賠責保険証明書やリサイクル券も買取店から求められるのが一般的です。印鑑証明書について、JPUCは「車の登録で使用できる期限は発行日から3ヵ月以内です」と注意しています※7。
軽自動車を売るときの書類
軽自動車は実印と印鑑証明書が不要で、JPUCは「軽自動車:認印の押印が可能」としています※7。軽自動車検査協会の手続きでは、車検証の原本と、使用者の住所を証明する書面(住民票の写しか印鑑証明書のどちらか)などが必要です※8。必要な書類は売り先から指示があるので、それに合わせて準備します。
名義変更は15日以内
道路運送車両法は、所有者が変わったときは「その事由があつた日から十五日以内に」移転登録を申請するよう定めています※9。名義変更は通常、買取店が代行します。手続きが終わったら、新しい車検証のコピーなどで完了を確認しておくと、翌年度の税金の通知が自分に届くといったトラブルを防げます。
6. 保険と税金の切り替え
任意保険
今のクルマに掛けている任意保険は、リース車に「車両入替」をすれば、等級を引き継げることがあります。保険会社によっては、1年以上の期間で借りたリース車も入替の対象になるとしています※10。入替の日付を納車日に合わせないと補償のない日ができるので、納車日が決まったら保険会社に連絡します。
リース車の納車まで間が空いて保険をいったん解約する場合、満期日や解約日から7日以内なら中断証明書がなくても等級を引き継げます。それより空くなら中断証明書を取ります※11。
自動車税は売却しても戻らない
自動車税(2026年4月から「自動車税種別割」は「自動車税」に名称変更)は、4月1日時点の所有者に1年分が課税されます。東京都主税局は、年度の途中で名義変更された場合でも「前の所有者の方に1年分が課税され、新しい所有者の方には翌年度から課税されます」としています※12。月割で還付されるのは、廃車(抹消登録)したときです※12。軽自動車税には「月割課税制度がありません」※13。
手放す時期が3月末になりそうなときは注意が必要です。名義変更が4月1日をまたぐと、新しい年度の税金の通知も自分に届きます。年度内に手放したいなら、名義変更が3月中に終わるよう余裕を持って進めます。
自賠責保険
売却で名義が変わる場合、自賠責保険は解約ではなく、証明書の記載事項を変更する手続きになります※14。廃車にして自賠責を解約する場合も、残りの期間が1か月未満なら返戻金はありません※14。
リース車の税金
リース車の所有者はリース会社なので、自動車税の納付書はリース会社に届き、税金は月々のリース料に含まれます。乗り換え後は、毎年5月に税金を払う必要がなくなります。
今乗っているのがリース車の場合
今のクルマがリース車なら、売却はできません。カーリースは原則として中途解約できず、解約できる場合も通常は解約金がかかります※5。今の契約の満了日に合わせて次のクルマを契約するのが基本です。満了前に乗り換えたい場合は、今の契約の解約金がいくらになるかを先にリース会社に確認します。
乗り換えスケジュールの例
| 時期 | やること |
|---|---|
| 2〜3か月前 | 車検証とローン残高の確認、リース車の検討 |
| 1〜2か月前 | 査定、リースの審査・契約、納車日の確定 |
| 2〜4週間前 | 売却契約、書類(印鑑証明書は3か月以内)の準備、保険会社への連絡 |
| 納車日 | リース車の受け取り、今のクルマの引き渡し、保険の入替 |
| 引き渡し後 | 名義変更の完了確認 |
新車をリースする場合は納車まで数か月かかることがあるので、もっと早めに動き始めます。
よくある質問
Q. ローンが残っていても乗り換えられますか?
A. 乗り換えられます。ただし、ローンを払い続けたまま売ることはできないため、売却代金や手持ちの資金でローンを完済し、所有権を解除します※2。
Q. 売ったら自動車税は戻ってきますか?
A. 名義変更による売却では戻りません。その年度の分は4月1日時点の所有者に1年分課税されます※12。
Q. 軽自動車と普通車で必要な書類は違いますか?
A. 違います。普通車は実印と3か月以内の印鑑証明書が必要で、軽自動車は認印で手続きでき、住所の証明は住民票の写しでも構いません※6※7※8。
Q. 任意保険の等級はリース車に引き継げますか?
A. 車両入替の手続きで引き継げることがあります。リース車が入替の対象になるかどうかの条件は保険会社によるので、事前に確認してください※10。
Q. 売却契約をあとからキャンセルできますか?
A. 車の売却は特定商取引法の対象外で、同法のクーリング・オフは使えません※3。キャンセルできるかどうかは業者の約款によるため、契約前に確認します。
Q. 売却でトラブルになったらどこに相談できますか?
A. 消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。JPUCも「車売却消費者相談室」(0120-93-4595、平日9時〜17時)を設けています※5※7。
参考・出典
- ※1 国土交通省 自動車保有関係手続のワンストップサービス「用語集」
- ※2 日本自動車購入協会(JPUC)「ローン返済中の車を売却することはできますか」(2023年11月20日)
- ※3 国民生活センター「増加する中古自動車の売却トラブル」(2023年3月22日)
- ※4 MOTA「カーリースは新車と中古車どちらがよい?メリット・デメリットを徹底比較!」
- ※5 国民生活センター「カーリースに関する消費者トラブルにご注意!-カーリースってどんな契約?特徴と注意点-」(2025年9月17日)
- ※6 国土交通省 自動車登録ポータル「車を売買等により名義変更するために必要な書類」
- ※7 JPUC「安心して車を売却するために(第5回)車と必要書類を引き渡す」(2026年3月17日)
- ※8 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
- ※9 e-Gov法令検索「道路運送車両法」第13条
- ※10 あいおいニッセイ同和損保「車を入れ替える場合、等級・事故有係数適用期間の引継ぎができるのは、どのような場合ですか?」
- ※11 おとなの自動車保険(SOMPOダイレクト)「等級引継ぎ」(2026年4月27日)
- ※12 東京都主税局「よくある質問(自動車税)」
- ※13 札幌市「軽自動車税」
- ※14 国土交通省「自賠責保険・共済 よくある質問」
