カーリースの基礎

カーリースの任意保険はどうする?自賠責との違いと選び方

カーリースに任意保険は含まれるか

多くのカーリースでは、月額に含まれる保険は自賠責保険だけで、任意保険は自分で別に加入します。任意保険込みのプランやリース車向けの専用保険を用意している会社もありますが、標準では含まれないのが一般的です※1。ただし、自賠責保険すら含まないプランもあるので、月額に何が入っているかは契約ごとに確認します。

カーリースのクルマは自分のものではなく、リース会社のものです。事故で壊したときの修理費や、返却時の原状回復費用、全損したときの中途解約金は利用者が負担します。自分のクルマを買ったとき以上に、車両保険の重みが大きくなります。

自賠責保険で補償される範囲

国土交通省によると、すべての自動車は自賠責保険・共済への加入が義務付けられていますが、補償は事故の相手のケガや死亡に限られ、「物損事故は補償の対象にはなりません」※2。支払いの限度額は被害者1人あたり次のとおりです※3。

損害 限度額
死亡 3,000万円
後遺障害(常時介護が必要な第1級) 4,000万円
後遺障害(随時介護が必要な第2級) 3,000万円
後遺障害(上記以外) 第1級3,000万円〜第14級75万円
傷害 120万円
相手のクルマ・物、自分のケガ・自分のクルマ 対象外

自賠責に入らずにクルマを運行すると、「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」と違反点数6点(免許停止処分)の対象です※2。自賠責保険料は車種ごとに一律で、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約では、24か月で自家用乗用車18,560円、軽自動車18,660円になります※4。

任意保険の主な補償

補償 何を補償するか カーリースでの重要度
対人賠償 事故の相手のケガ・死亡で、自賠責の限度額を超えた分 必須
対物賠償 相手のクルマや建物など、他人の物の損害 必須
人身傷害・搭乗者傷害 自分や同乗者のケガ 高い
車両保険 自分が乗っているクルマ(リース車)の損害 カーリースでは特に高い

任意保険にはどれくらいの人が入っているか

損害保険料率算出機構の統計では、2025年3月末時点の任意自動車保険の普及率は、対人賠償が75.4%、車両保険が47.4%です。共済も含めると、対人賠償は88.6%、車両補償は54.9%になります※5。用途別に見ると、車両保険の普及率は自家用普通乗用車で64.3%、軽四輪乗用車で49.6%です※5。対人・対物はほとんどの人が入っている一方、車両保険は半分ほどの人しか付けていません。

カーリースで車両保険が必要な理由

修理費は利用者の負担になる

リース車を事故で傷つけたとき、修理費は利用者が払います。メンテナンス込みのプランでも、衝突や接触による破損は対象外とされるのが一般的です※6。修理せずに返却すれば、原状回復費用として請求されることがあります。

全損すると契約が強制的に終わり、中途解約金がかかる

MOTAは「契約期間中にリース車が全損した場合、リース契約は強制解約となります」と説明しています※1。強制解約になると、残りのリース料に近い中途解約金を払うことになります。リース専用の自動車保険を扱う会社も「車を全損するとリース契約は強制解約!」「高額な「中途解約金」を支払う必要が。」と注意を促しています※7。

もらい事故でも差額が残ることがある

相手に過失がある事故でも、相手の保険から支払われるのは原則としてクルマの時価額までです。マイナビの解説は「たとえ過失ゼロのもらい事故であっても、相手の保険から支払われるのは車両の時価額までであり、リース解約金との差額はご自身が負担しなければなりません」と書いています※8。カーリースでは、クルマの時価より中途解約金のほうが高くなることがあり、その差は自分の保険で埋めるしかありません。

リースカー向けの特約と専用保険

リースカー車両費用特約

一般の自動車保険にも、リース車向けの特約を付けられる商品があります。例として、三井住友海上の「リースカー車両費用特約」は、事故でリース車に損害が出た場合に車両保険金を支払うもので、全損(修理できない、盗難、修理費が中途解約費用以上になる場合を含む)のときはリース契約の中途解約費用の額を支払います※9。分損のときは、修理費から免責金額を引いた額が支払われます※9。

リース会社の専用保険・保険込みプラン

リース会社が専用の自動車保険や、任意保険込みのプランを用意していることもあります。中途解約金を補償する商品もあります※7。一方で、保険会社を自分で選べない、等級を引き継げるかどうかが商品によって違う、といった点があります。等級の引き継ぎについては、引き継げないとする解説と、引き継げるとする商品の両方があるので、加入前に確認します。

自分で保険会社と契約 リース会社の専用保険・保険込み
支払い 保険会社に別に払う リース料と一緒に払えることが多い
保険会社の選択 自由 リース会社が用意したもの
中途解約金の補償 リースカー向けの特約を付ければ可能 補償する商品がある
等級の引き継ぎ 車両入替で引き継げることがある 商品による

今の保険の等級を引き継ぐには

車両入替

今のクルマで任意保険に入っているなら、保険の対象をリース車に切り替える「車両入替」で等級を引き継げることがあります。あいおいニッセイ同和損保は「リース契約により借り入れたお車の借主は、お車の所有者とみなします」とし、入替後のクルマの条件として「1年以上を期間とする貸借契約により、新たに借り入れたお車」を挙げています※10。用途車種が同じであることも条件です※10。条件は保険会社によって違うので、加入している保険会社に確認します。

乗り換えで保険が空くとき

今のクルマを手放してからリース車の納車まで間が空き、保険をいったん解約する場合でも、損保ジャパンは「前の契約の満期日・解約日から7日以内であれば、中断証明書がなくても等級は引き継がれます」としています※11。それより空く場合は中断証明書を取っておけば、「中断から10年以内かつ一定の条件を満たしていれば以前の等級で契約を再開できます」。中断証明書は「解約日または満期日から13か月以内に依頼する必要があります」※11。乗り換えの手順は乗り換えの流れの記事で説明しています。

保険料の目安

任意保険料は、年齢、等級、車種、補償内容で大きく変わります。MOTAの試算では、26歳・初めて契約する場合、車両保険なしで5万3,930円、車両保険ありで9万9,780円で、「車両保険を付けることで保険料が約2倍になる」とされています※1。20歳の場合について、ファイナンシャルフィールドは「車両保険なしの場合は年額3~10万円前後」「車両保険ありの場合は年額6~20万円前後」と示しています※12。

保険料を抑える方法としては、運転者の範囲や年齢条件を絞る、車両保険の免責金額(自己負担額)を設定する、複数の保険会社の見積もりを比べる、などがあります。ただし、カーリースでは車両保険を外すと全損時の負担が大きくなるので、外すより免責金額の設定で保険料を調整するほうが向いています。

任意保険を選ぶときのチェックリスト

  • 対人・対物賠償は無制限か
  • 車両保険を付けているか、免責金額はいくらか
  • 全損時にリースの中途解約金まで補償されるか(リースカー向けの特約、専用保険)
  • 等級を引き継げるか(車両入替の条件)
  • 保険の開始日がリース車の納車日と同じになっているか
  • 事故対応やロードサービスの内容

よくある質問

Q. カーリースなら任意保険には入らなくていいですか?

A. 入ってください。月額に含まれる自賠責保険は相手のケガや死亡しか補償せず、物損は対象外です※2。リース車の修理費や全損時の中途解約金も自分で負担することになります。

Q. リース車に車両保険は必要ですか?

A. 必要性は高いです。全損するとリース契約は強制解約になり、中途解約金がかかります※1。もらい事故でも、相手の保険から出るのは時価額までで、中途解約金との差は自己負担です※8。

Q. 対物賠償と車両保険の違いは何ですか?

A. 対物賠償は相手のクルマや物を壊したときの賠償、車両保険は自分が乗っているクルマ(リース車)の損害を補償します。

Q. 今の任意保険の等級はリース車に引き継げますか?

A. 車両入替の手続きで引き継げることがあります。1年以上の貸借契約で借りたクルマを入替の対象とする保険会社があります※10。条件は加入中の保険会社に確認してください。

Q. 任意保険込みのプランなら安心ですか?

A. 補償の中身によります。車両保険が付いているか、免責金額はいくらか、全損時の中途解約金まで補償されるかを確認します。

Q. 自賠責保険料はいくらですか?

A. 24か月で、自家用乗用車18,560円、軽自動車18,660円です(2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約)。それより前に始まる契約では、自家用乗用車17,650円、軽自動車17,540円です※4。

参考・出典

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