カーリース中のメンテナンスはどうする?確認したい範囲と考え方

カーリース中のメンテナンスは誰がするか

カーリースでも、クルマの点検整備をする義務は利用者にあります。国土交通省は「点検整備は使用者の義務です」とし、その根拠を「道路運送車両法第48条, 自動車点検基準第2条」としています※1。カーリースの利用者は車検証上の「使用者」なので、所有者がリース会社でも、この義務は利用者が負います。

点検の手配と費用を誰が持つかは、契約の種類で決まります。点検整備や消耗品の費用を月額に含めるのが「メンテナンスリース」、含めずに自分で都度払うのが、いわゆるメンテナンスなしの契約です。国民生活センターによると、個人向けカーリースでは法定点検整備などの費用も含むメンテナンスリースが主流です※2。

必要な点検と車検

法定点検

マイカー(自家用乗用車・軽自動車)は、1年ごとに29項目、2年ごとに1年ごとの29項目を含む計60項目の点検整備を受ける必要があります※1。年間の走行距離が少ないクルマは、一部の項目を省略できる場合があります※1。点検の結果は点検整備記録簿に記録し、クルマに備えて保存します※1。

法定点検を受けなかったことへの直接の罰則はありません※3。ただし使用者の義務であることに変わりはなく、カーリースでは返却時の状態にも関わるため、メンテナンス込みの契約なら案内どおりに受けておくほうが得です。

車検

車検は、クルマが保安基準に適合しているかを確かめる検査です。自家用乗用車と軽乗用車は、初回が新車登録から3年、2回目以降は2年ごとです※4。法定点検は故障を防ぐための整備、車検は公道を走ってよい状態かの検査で、目的が違います。2年ごとの点検(24か月点検)は、車検と同じタイミングで受けるのが一般的です。

項目 頻度(自家用乗用車・軽乗用車) 内容
1年ごとの点検※1 毎年 29項目
2年ごとの点検 2年ごと 1年ごとの29項目を含む計60項目
車検※4 初回3年、以降2年ごと 保安基準への適合を検査
日常点検 走行距離や状態から判断した適切な時期 タイヤの空気圧、灯火類など

中古車をリースする場合の車検

中古車は新車より短い間隔で次の車検が来ることがあります。契約期間中に車検が何回来るか、その費用が月額に含まれるかを、契約前に数えておくと費用の見通しが立ちます。

車検費用の内訳

車検費用は、国や保険に払う「法定費用」と、整備工場に払う「車検基本料」「部品交換・整備費用」に分かれます。法定費用はどこで受けても同じ金額です。

自動車重量税

2026年5月1日からの税額は、乗用車・2年自家用・エコカー以外の場合で次のとおりです※5。

車両重量 エコカー以外 13年経過 18年経過
0.5トン以下 8,200円 11,400円 12,600円
〜1トン 16,400円 22,800円 25,200円
〜1.5トン 24,600円 34,200円 37,800円
〜2トン 32,800円 45,600円 50,400円

軽自動車(2年自家用)は、エコカー以外で6,600円、13年経過で8,200円、18年経過で8,800円です※5。年式が古いクルマほど重量税は高くなります。

自賠責保険料

自賠責保険料は2026年11月1日に改定されます。11月1日以降に保険期間が始まる契約では、24か月の保険料が自家用乗用車で18,560円(改定前17,650円)、軽自動車で18,660円(同17,540円)です※6。手続きをした日ではなく、保険期間が始まる日で新旧どちらの料率かが決まります※6。

検査手数料

検査の手数料は2026年4月1日に改定されています。窓口申請で、指定工場の保安基準適合証を使う場合は普通車・小型車・軽自動車とも2,100円です(改定前1,800円)※7。

車検基本料と整備費用

整備工場に払う基本料と部品交換の費用は、工場やクルマの状態で大きく変わります。民間の解説では、法定費用を含めた車検費用は「軽自動車でも約80,000円から、普通車では10万円を超えることも珍しくありません」とされています※8。この支払いが2年ごとにまとめて来るのを、月額に均しておけるのがメンテナンス込みプランの利点です。

消耗品の交換時期

点検以外にも、エンジンオイルやタイヤ、バッテリー、ワイパーゴムなどの交換が必要です。JAFが示すエンジンオイルの交換目安は次のとおりです※9。

車種 通常 シビアコンディション
ガソリン車 1万5,000kmまたは1年 7,500kmまたは6か月
軽自動車 1万kmまたは6か月 5,000kmまたは3か月
軽自動車(ターボ車) 5,000kmまたは6か月 2,500kmまたは3か月
ディーゼル車 1万kmまたは1年 5,000kmまたは6か月

シビアコンディションは「悪路走行が多い、走行距離が多い、山道な上り下りの頻繁な走行など」の使い方を指します※9。仕事でクルマを使う人や、短距離の発進・停止が多い人は、こちらの目安で考えます。オイルフィルターは「オイル交換2回ごとに1回というのが基本」です※9。正確な交換時期は、クルマの取扱説明書で確認します。

メンテナンスプランの種類と範囲

プランによって含まれる範囲が違う

多くのカーリースでは、メンテナンスの範囲を何段階かから選べます。例として、コスモMyカーリースは車検や法定点検に加えてタイヤ・バッテリー・ブレーキパッドなどの消耗品まで含むパック、車検・法定点検・オイル類までのパック、メンテナンスなしのパックを用意しています※10。

消耗品まで込み 車検・点検のみ込み メンテナンスなし
月額 高い 中間 安い
車検・法定点検 含む 含む 自分で手配・支払い
オイル交換 含む 含むことが多い 実費
タイヤ・バッテリー等 含む 実費 実費
向いている人 走行距離が多く出費を平らにしたい 車検の出費だけ均したい 付き合いのある整備工場がある

メンテナンス込みでも自己負担になるもの

メンテナンス込みでも、すべてが月額に入るわけではありません。ENEOSカーリースのフルサポートパックでは、次のものが対象外とされています※11。

  • 衝突、接触、物の飛来、盗難、いたずらなど外的要因による破損の修理費用
  • 原状復帰のための費用
  • 指定以外の場所で無断で行った点検・修理の費用
  • 運行前点検や日常点検
  • タイヤ側面を破損した場合のタイヤ交換
  • ハイブリッド車や電気自動車の動力用バッテリーの修理・交換

パンクの修理を利用者負担とするプランもあります※10。事故による修理は、メンテナンスではなく任意保険で備える範囲です。

メンテナンス込みとなし、総額はどちらが安いか

単純な総額では、メンテナンスなしで自分で安い工場を探したほうが安くなることもあります。カルモくんの試算では、5年間の総支払額は車検代を別にしたほうが約53,000円安くなりました※8。一方、メンテナンス込みには、車検の年にまとまった出費が出ない、点検時期を管理しなくてよい、整備工場を探さなくてよい、といった金額以外の利点があります。安さと手間のどちらを重く見るかで選びます。

メンテナンスと返却時の精算

クルマを返却する契約では、通常の使用を超える損耗があると精算が発生することがあります※12。点検整備記録簿が残っていれば、きちんと整備してきたことを示せます。メンテナンスなしの契約を選んだ場合も、点検や交換の記録は保管しておきます。

契約前に確認すること

  • 月額に含まれる点検の種類と回数(法定点検、車検、そのほかの点検)
  • 交換対象の消耗品と、その回数・本数の上限
  • 対象外の作業(事故修理、パンク、動力用バッテリーなど)
  • 入庫先は指定か、自分で選べるか
  • 代車が出るか
  • 中古車の場合、契約期間中の車検の回数

よくある質問

Q. 法定点検は受けないといけませんか?

A. 道路運送車両法で使用者に義務づけられた点検です※1。受けなかったことへの直接の罰則はありませんが※3、メンテナンス込みのプランなら費用は月額に含まれているので、受けたほうが得です。

Q. リース料に車検代は入っていますか?

A. プランによります。車検・点検まで含むプランと、含まないプランがあります※10。

Q. 車検の法定費用はいくらですか?

A. 重量税(例:エコカー以外で車両重量1〜1.5トンの乗用車は24,600円)、自賠責保険料(自家用乗用車24か月で18,560円、2026年11月1日以降に始まる契約)、検査手数料(指定工場の場合2,100円)の合計です※5※6※7。

Q. オイル交換はどのくらいの頻度ですか?

A. JAFの目安では、ガソリン車で1万5,000kmまたは1年、軽自動車で1万kmまたは6か月です。走行距離が多いなどのシビアコンディションでは、その半分程度です※9。

Q. 事故の修理はメンテナンスプランで直せますか?

A. 衝突や接触などによる破損は、メンテナンスプランの対象外とされるのが一般的です※11。車両保険で備えます。詳しくはカーリースの任意保険の記事をご覧ください。

Q. 点検の記録は必要ですか?

A. 点検整備記録簿をクルマに備えて保存する必要があります※1。返却時に整備の状況を示す資料にもなります。

参考・出典

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